酒さの病型分類
酒さは顔面の炎症が慢性的に続く病気です。顔の赤み、ブツブツ、ボコボコした鼻など多彩な臨床像を呈します。「赤ら顔=酒さ」というわけではありません。皮膚科専門医であっても酒さは診断が難しく、かつ治療も難しい厄介な疾患です。保険診療だけでは限界があり、当院では自由診療を積極的に取り入れています(注;特に申し出がない限り、保険診療のみ行います)。
保険診療ではロゼックスゲルが第一選択です。ロゼックス(抗菌薬)で満足のいく結果が得られれば当院の自由診療は必要ないと考えます。なお、ホームページの内容を読んでいない方に自由診療は行いませんのでご注意ください(すべて理解いただく必要はなく、治療法や費用だけでも事前にご確認ください)。自由診療で価値が高いものはミルバソゲル、イベルメクチン、アゼライン酸、イソトレチノイン、レーザー治療です。また、スキンケアに関しては低刺激性のものをお勧めしますが、こうすれば必ず上手くいくというものはなく、試行錯誤を重ねながらご自身にあう方法を探すしかないのが実情です。
顔面しゅさは主に4つに分類されますが、ここでは3つの分類を紹介します。
- 第1度酒さ(紅斑毛細血管拡張型)
ほほの赤みがメインで難治性。ミルバソゲルが非常に有効。アゼライン酸、ロゼックス、イベルメクチンの効果は限定的とれさる。難治例にはイソトレチノイン内服を考慮してもよい。第2度酒さと混在している場合がある。
- 第2度酒さ(丘疹膿疱型酒さ)
口周や顎回りのブツブツ。イベルメクチンが第一選択。アゼライン酸と併用すると非常に効果的。難治例にはイソトレチノイン内服が推奨される
- 第3度酒さ(瘤腫型・鼻瘤型)
鼻の皮膚が厚くなりボコボコした状態(ミカンの皮状)。治療法は個々の症例に応じて柔軟に変える必要あり
自由診療では薬剤費以外にも下記診察料を申し受けます。予めご了承ください。
| 初診料 | 3,300円(税込) |
|---|---|
| 再診料 | 1,100円(税込) |
| 血液検査 | 3,300円(税込) |
※各種クレジットカードがご利用いただけます。
※最終受診日から1年(365日)をすぎると初診扱いとなります。
酒さの治療費
以下の未承認薬および適応外処方は医薬品副作用被害救済制度の対象外となることを予めご了承ください。
| ミルバソゲル(後発品)15g Akumentis Healthcare社製(インド) | 5,500円(税込) |
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第1度酒さ(紅斑拡張型)にほぼ確実に効果があります。α2受容体作動薬として血管収縮作用があり、欧米では広く使用されています。飲酒や気温差による突然の赤みを抑えるのは不可能だと思われがちですが、ミルバソゲルが非常に効果的です。即効性があり、外用後わずか30分程度で効果が現れはじめ、12時間程度効果が持続します。根本的な治療薬ではありませんが、長期安全性も確立されており、海外のガイドラインでも推奨されています。詳細は「ミルバソゲルの有用性」の記事を一読ください。
(使い方)1日1回、洗顔後に顔全体に薄く塗布
※開封時にチューブ出口のフィルムが残存する場合があります。ハサミ等でフィルムを除去してください
| イベルメクチンクリーム30g 1本 | 4,400円(税込) |
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ロゼックスで効果不十分/かぶれを起こした場合、まずはイベルメクチンクリームを試してみることをお勧めします。有効性・安全性ともにロゼックスよりも優れており、特に丘疹膿疱型に非常に有効です(文献1)。ロゼックスと異なり、乾燥症状が出ることは少なく1日1回の外用で済むので利便性にも優れています。開始後は多少の刺激感を感じることがあります。妊娠中や授乳中の方への安全性は確立されていません。
(使い方)1日1回、夜の洗顔後、赤み部位に薄く塗布
※開封時にチューブ出口のフィルムが残存する場合があります。ハサミ等でフィルムを除去してください
(文献1)Taieb A et al. Superiority of ivermectin 1% cream over metronidazole 0.75% cream in treating inflammatory lesions of rosacea: a randomized, investigator-blinded trial. Br J Dermatol. 2015;172:1103-10.
| イベルメクチン内服薬12mg(1回分) | 13,200円(税込) |
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疥癬の治療薬として使われますが、酒さには保険適用がありません。適用外での使用となります。ニキビダニが強く関与する酒さには劇的な効果があり、わずか1回の治療で数カ月間効果が持続するという報告があります。また眼型酒さに対する有効性も報告されています。理論上はイベルメクチンクリームよりも高い効果が期待できますが、エビデンスレベルは高くはありません。副作用は吐き気や下痢などで出現率は1~2割程度と報告されています。また妊娠中や授乳中の方への安全性は確立されていません。詳細は「イベルメクチン内服の有用性」の記事を一読ください。
(使い方)1回12mgを寝る前に内服(※1回限りで完結する治療です)
| イソトレチノイン10mg 30日分 | 10,450円(税込) |
|---|---|
| イソトレチノイン20mg 30日分 | 20,900円(税込) |
重症/難治性ニキビ薬として海外では古くから使用されていますが、酒さにも高い有効性があります。日本ではあまり知られていませんが、抗菌薬よりも有効性が高く、難治性酒さの「裏技」といえる治療です。用量・用法はニキビ治療と大きく違いますので、症状に合わせた提案をさせていただきます。詳細について「難治性酒さにはイソトレチノインが有効」の記事を一読ください。
※当院では最も信頼性が高いとされるイタリアRecordati社製アクネトレントを採用しています。
※副作用や注意点等については当院ホームページの「難治性ニキビ治療イソトレチノイン」でご確認ください。
| アゼライン酸(AZAクリア)15g | 2,200円(税込) |
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小麦や大麦などの穀物類に含まれる天然成分です。酒さに対する有効性は20年以上も前に報告されており、2002年に米国FDAから認可を受けています。マイルドな効果というイメージがありますが、実際にはロゼックスよりも治療効果が高いことが報告されています。強固なエビデンスではありませんが、近年のネットワークメタ解析によればイベルメクチンよりも有効性が高いとされるほどです(文献2)。外用直後にヒリヒリ感など一過性の刺激が生じることがありますが、安全性が高く、妊娠中や授乳中の使用も可能です。
(文献2)Shaheen EA et al. The efficacy and safety of minocycline, metronidazole, ivermectin, and azelaic acid in moderate-to-severe papulopustular rosacea: A systematic review and network meta-analysis. JAAD Int. 2024;20:23-30.
| VビームⅡ 顔(酒さ病変部) 1回 | 25,300円(税込) |
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※施術者は院長のみ。原則として初診日には行いません。
赤みの原因となっている血管をターゲットとした治療法です。酒さの赤みには様々なレーザー治療が行われます。固定化された毛細血管拡張症に対してはVビームが最高峰の治療の1つと言われています。ただし、適応を見極める必要があり、闇雲にレーザーを当てても意味がありません。「レーザー治療(Vビーム)の限界」の記事を一読ください。個人差はありますが2~4週間おきの治療を数回行うと効果が実感できます。副作用は腫れや皮下出血(紫斑)が出ることです。通常は数日で治まりますが、イベント前などは避けておきましょう。
混合診療
| ロゼックスゲル15g 1本 | 2,200円(税込) |
|---|---|
| ミノマイシン錠 50mg 100錠 | 3,300円(税込) |
| ビブラマイシン錠50mg 100錠 | 3,300円(税込) |
顔面しゅさの自由診療を受ける場合、同日(正確には同月)にロゼックスゲルを保険診療として処方することはできません(混合診療に該当するため)。自由診療とロゼックスの併用を希望される場合、上記価格で提供します(参考;ロゼックスゲルは保険診療の3割負担だと1本15gで約460円です)。また、ミノマイシンやビブラマイシンの併用についても同様の理由で保険診療として処方することはできません。当院では米国ファイザー社製の先発品を取り扱っています。上記薬剤費に加え、所定の診察料がかかります。
難治性酒さにはイソトレチノインが有効
イソトレチノインは難治性ニキビの治療薬ですが、実際には他の皮膚疾患に対しても有効性が報告されており、酒さにも有効であることが知られています。メカニズムとして、免疫調整作用、抗炎症作用、抗血管新生作用などが関連していると考えられています。
酒さはイベルメクチンをはじめとする抗菌薬の使用だけでは治療抵抗性であり、経口イソトレチノインの必要性がクローズアップされています(文献1)。酒さに対してはニキビ治療よりも少ない量で十分な効果が得られます。ドキシサイクリン(ビブラマイシン®)と経口イソトレチノイン0.3mg/kg/dayとの比較では後者の優位性が報告されています(文献2)。また別の研究ではイソトレチノイン20mg週1回投与群28名とミノサイクリン100mg投与群24名で4~7ヶ月間で治療成績がほぼ同等だったと報告されています(文献3)。さらに同研究では重症酒さ24名に対してイソトレチノイン40mg週1回投与したところ、完全奏効62.5%(部分奏功29.2%)だったと報告しています。
2025年の最新のメタ解析の結果、低用量イソトレチノイン内服は中等度~重度および難治性酒さに対して忍容性に優れ、安全で有効な治療法と報告されました(文献4)。病変数と紅斑が有意に減少し、抗菌薬よりも優れていることが示されました。内服中止後も効果は16週間持続し、5.5ヶ月時点で再発率35%と報告されました。
酒さに対する経口イソトレチノインの標準化されたプロトコルはないため、個々の症例に応じて投与量を決めることになります。また維持療法としての使い方は今後の研究課題とされています。英国ガイドラインでは0.25mg/kg/dayの低用量を提案しており、難治性ニキビ治療で推奨されている0.5mg/kg/dayの半分の投与量です。当院では初期量1日20mgで開始し、症状にあわせて減量を提案していきます。なお、イソトレチノインと上記の抗菌薬は併用することはできません。
Key Points
①難治性酒さに対する経口イソトレチノインの有効性と安全性が報告されている
②低用量でも抗菌薬内服と同等かそれ以上の効果が期待できる
③内服中止後も4~5カ月間程度は効果が持続する
(文献1)Desai S, Friedman A. Isotretinoin for rosacea: A systematic review. JAAD Int. 2024;16:112-118.
(文献2)Gollnick H et al. Systemic isotretinoin in the treatment of rosacea – doxycycline- and placebo-controlled, randomized clinical study. J Dtsch Dermatol Ges. 2010;8:505-15.
(文献3)Shemer A et al. Low-dose isotretinoin versus minocycline in the treatment of rosacea. Dermatol Ther. 2021;34:e14986.
(文献4)King A et al. Low-dose isotretinoin for the management of rosacea: A systematic review and meta-analysis. J Eur Acad Dermatol Venereol. 2025;39:785-792.
ミルバソゲルの有用性
ミルバソゲル(ブリモニジン)はα2受容体作動薬として血管を収縮させる作用があります。即効性があるのが特徴で寒暖差や飲酒などによる赤みに優れた効果を発揮します。日本では保険適用はありませんが、米国FDAの承認薬であり、海外のガイドラインで「強く推奨」されている世界標準治療薬です。
1日1回洗顔後に塗布してください。外用後20~30分で効果が現れ始め、3~6時間でピークに達し、8~12時間程度効果が持続します。気になるところだけに部分使いする方法でも構いませんが、顔全体またはやや広めに外用することをお勧めします。理由として、例えばほほのみに外用した場合、ほほだけが「白抜け」したような状態になる可能性があり、見た目が不自然になることがあるからです。実際にミルバソゲル塗布部位の周辺部の赤みが強くなるケースが報告されています(文献1)。詳細なメカニズムは不明ですが、ミルバソゲルによって慢性的な血管収縮が起こり、周辺部皮膚において代償性の血管拡張をきたす可能性が想定されています。例えば川の流れをせき止めようと障害物を設置しても、障害物をよけるように水は流れ続ける状態をイメージしてみましょう。簡単に言えば、ミルバソゲルの薬理作用で血管拡張を抑えたとしても、代わりに周りの皮膚の血管拡張が起きてしまうと考えるとわかりやすいと思います。また、ミルバソゲルの効果がなくなってくると、再び血管拡張や灼熱感が「リバウンド現象」として強く表れることがあります(文献2, 3)。もちろんこうした現象は一時的なものです。
上記の副反応が気になるかもしれませんが、突発的な赤みを抑える効果は抜群です。写真撮影や何らかの行事・イベントがある日には重宝するはずです。もちろん毎日使用いただくこともできます。また赤みが改善されることで肝斑やシミが相対的に目立ってしまう可能性もあるため、ご自身にあった使い方を見出すのがよいと思います。
Key Points
①ミルバソゲルは寒暖差や飲酒などによる赤みを抑える効果がある
②即効性に優れているが、リバウンド現象や周囲皮膚に赤みを生じることがある
(文献1)Gillihan R et al. Erythema in Skin Adjacent to Area of Long-term Brimonidine Treatment for Rosacea: A Novel Adverse Reaction. JAMA Dermatol. 2015;151:1136-7.
(文献2)Routt ET, Levitt JO. Rebound erythema and burning sensation from a new topical brimonidine tartrate gel 0.33%. J Am Acad Dermatol. 2014;70:e37-8.
(文献3)Ilkovitch D, Pomerantz RG. Brimonidine effective but may lead to significant rebound erythema. J Am Acad Dermatol. 2014;70:e109-10.
レーザー治療(Vビーム)の限界
第1度酒さにはレーザー治療が有用とされています。レーザー治療を行うにあたり、赤ら顔と毛細血管拡張症は全く別物であることを理解しておく必要があります(「症候名」としての毛細血管拡張と「疾患名」としての毛細血管拡張症は全く別物です)。ところが両者はしばしば混同されることがあり、また混在することがあります。顔の赤みをもたらす皮膚疾患は酒さだけではありません。アトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、接触皮膚炎なども顔の赤みを引き起こします。酒さの赤みはヘモグロビンという色素タンパクを反映したもので、一過性に血流が局所的に増加している炎症状態です。多くは遺伝的体質によるものであり、原因をそのままにして血管を破壊するレーザー治療を行っても、時間が経てばどうしても再発してしまいます。
一方で毛細血管拡張症とは、現在炎症がないにもかかわらず、何らかの理由で拡張した毛細血管が回復できない状態を指します。例えば、顔面にステロイド外用薬を長期間使っていると毛細血管拡張症をきたすことがあります。皮膚科外来でよく見かける状態ですがVビームが非常に有効です。しかし、紅斑毛細血管拡張型(第1度酒さ)にレーザー治療を行ってもその効果は限定的です。レーザーは皮膚表面の血管に対する物理的治療であって、体質そのものを改善させるものではないからです。日本皮膚科学会の診療ガイドラインでも推奨度C1(選択肢の1つとして推奨する)となっており推奨度は高くはありません。酒さが増悪する要因は人それぞれですが紫外線や飲酒、温度差などです。確実な治療法は悪くなる要因を1つ1つ除去するしかないことになります。少し残念な話ですが、どんなに医学が進歩しても遺伝的体質を変えることは困難です。
以上をまとめると、炎症のない固定化された毛細血管拡張症はレーザーで治すことはできますが、酒さの病態改善/体質改善にレーザーは役に立ちません。顔面酒さの治療の難しさは、疾患の本質を正しく理解し、現在の病態に基づいた治療選択をしなければならないという点です。
(文献1)尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン 2023. 日皮会誌. 2023;133:407-450.
Key Points
①レーザーは皮膚表面の治療を行うことはできるが体質改善の効果はない
②紅斑毛細血管拡張型(第1度酒さ)は増悪因子を避けることが確実な治療法の1つ
(文献1)尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン 2023. 日皮会誌. 2023;133:407-450.
イベルメクチン内服の有用性
イベルメクチンクリームは酒さの治療薬として2014年米国FDA(2015年EMA)に認可され、海外のガイドラインでも強く推奨されています。外用薬は灼熱感、刺激感、かゆみなどの副作用が問題になることがあります。イベルメクチン内服薬についても近年、有効性が報告されるようになりました。
海外の報告で酒さ45例にイベルメクチン内服薬を1回投与したところ、著明に改善し、15例(33%)で皮疹が完全消失したと報告されました。副作用は吐き気9例、下痢4例、頭痛2例であり、3カ月間の追跡調査において再発はわずか5例(11%)だったと報告されました(文献1)。イベルメクチンを数回にわたって投与したという報告も散見されますが、単回投与(1回限りの投与)で十分な効果が得られるようです。44歳男性の丘疹膿疱型酒さに対し、イベルメクチン単回投与で6ヶ月後も寛解状態が続いた症例(文献2)や、12歳女性の重症の皮膚眼型酒さに対し、イベルメクチン単回投与で症状が完全消失し、2年後も再発がなかった症例などが報告されています(文献3)。
イベルメクチン内服薬は日本では疥癬の治療薬として使われていますが、酒さに対しては適用外使用となります。適応外使用は悪というわけではありませんが、安全性に十分配慮する必要があります。未承認薬および適応外処方は医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。また報告例が少なく、エビデンスレベルは高くはありません。ただし、安全性が高いことが知られており、他の治療法で上手くいかない場合には試してみる価値があるでしょう。
Key Points
①イベルメクチン内服薬は単回投与で優れた効果を示すことが報告されている
②十分なエビデンスは確立されておらず、まずは外用治療が推奨される
(文献1)Sharara, Manal A et al. Efficacy of single-dose oral ivermectin in treatment of rosacea in relation to demodex mites. Egyptian Journal of Dermatology and Venereology 2024;44:192-199.
(文献2)Hernández-Martín Á. Oral Ivermectin to Treat Papulopustular Rosacea in a immunocompetent patient. Actas Dermosifiliogr. 2017;108:685-686.
(文献3)Brown M et al. Severe demodexfolliculorum-associated oculocutaneous rosacea in a girl successfully treated with ivermectin. JAMA Dermatol. 2014;150:61-3.
妊娠中の酒さ治療
酒さで医療機関を受診される方は20~50歳代の女性が多い印象です。妊娠中でも安全に使用できる治療法をご紹介します。安全性のランクを表にまとめました(文献1, 2)。妊娠時リスク分類にはA, B, B1, B2, B3, C, D, Xのカテゴリーに分けられ、数字が大きくなるほど、アルファベットが進むほど、リスクが高いことを示します。内服薬はほとんど使えないため、ロゼックスまたはアゼライン酸が第一選択となります。
妊娠中に急激に症状が悪化することがあり(顔面中央や頬に突然出現)、電撃性酒さ/劇症酒さと呼ばれます。マクロライド系抗菌薬(エリスロマイシン、アジスロマイシンなど)が推奨されます。内服ステロイドを併用する場合もあります(文献3)
| 薬剤名 | FDA | FASS | ADEC |
|---|---|---|---|
| メトロニダゾール(ロゼックスゲル) | B | B1 | B2 |
| アゼライン酸(AZAクリア) | B | B1 | B1 |
| イベルメクチン外用 | C | C | B3 |
| イベルメクチン内服 | C | C | B3 |
| アジスロマイシン(ジスロマック) | B | B1 | B1 |
| エリスロマイシン | B | DR | A |
| ミノサイクリン(ミノマイシン) | D | DR | D |
| ドキシサイクリン(ビブラマイシン) | D | D | D |
| イソトレチノイン(アクネトレント) | X | D | X |
酒さ治療薬の胎児へのリスク分類表
米国FDA/スウェーデンの医薬品データベースであるFASSおよびオーストラリア医薬品評価委員会ADECによる医薬品の胎児への安全性に関するリスク分類
Key Points
①外用薬はロゼックスまたはアゼライン酸が推奨される
②アジスロマイシンおよびエリスロマイシンは酒さの第一選択ではないが、内服抗菌薬として安全に使用できる(劇症酒さには第一選択)
(文献1)Murase JE et al. Safety of dermatologic medications in pregnancy and lactation: Part I. Pregnancy. J Am Acad Dermatol. 2014;70:401.e1-14
(文献2)McMullan P et al. Safety of dermatologic medications in pregnancy and lactation: An update – Part I: Pregnancy. J Am Acad Dermatol. 2024;91:619-648.
(文献3)Yao QH, Liu ZH. Rosacea Fulminans in Pregnancy: A Case Report and Review. Clin Cosmet Investig Dermatol. 2024;17:1999-2007.