乾癬(乾癬性関節炎)

乾癬(かんせん)について

乾癬とは?

遺伝的背景になんらかの環境因子が加わることで発症する皮膚疾患です。通常、皮膚の表面は28日~40日で生まれ変わりますが、これが大幅に短縮されることで角質が次々と剥がれ落ちてきます。

皮膚だけでなく、爪病変や関節症状など多彩な症状をきたします。かつては欧米人に多い病気と考えられてきましたが、近年は日本人でも増加傾向にあります。乾癬患者に肥満が多いことが知られており、脂肪細胞からアディポサイトカインという生理活性物質が分泌されます。これが全身的な炎症を引き起こし、インスリン抵抗性ならびに血管内皮細胞の機能障害をきたします。それに伴い、糖尿病、脂質異常、高血圧などさまざまな合併症を起こす頻度が高くなります。特に重症乾癬では動脈硬化や心筋梗塞を起こすリスクが高いことが知られており、乾癬マーチという概念が確立されています。すなわち乾癬は単なる皮膚病ではなく、全身性の炎症性疾患として治療を行う必要があります。

乾癬の治療法

乾癬には様々な治療法があります。乾癬治療のピラミッド計画を以下に示します(図1)。

治療の土台になるのが外用療法であり、外用のみでコントロールできる場合がほとんどです。しかし、中等度以上になると内服療法や光線療法も併用した方が良いでしょう。それでも効果不十分な場合や、重症例では生物学的製剤(バイオ製剤)での治療が望まれます。生物学的製剤は最も治療効果が高く、かつ最も安全性が高いものであり、ピラミッドの頂点に位置します。実際に当院で治療した症例を以下に示します(図2)。

掌蹠膿疱症の治療方法

図1 乾癬治療のピラミッド計画
飯塚 一: J Visual Dermatol. 2017;16

  • (a)投与前

  • (b)投与後2週間

  • (c)投与後3カ月

図2 40歳代男性の臨床経過

※ご本人の許可を得て写真を掲載

※使用薬剤:ビンゼレックス

※紹介した症例は臨床症例の1例を紹介したもので、全ての症例が同様な結果を示すわけではありません。

※生物学的製剤は高額な薬剤ですが、高額療養費制度を利用することで自己負担額を少なくすることができます。使用薬剤、投与スケジュール、投与前に必要な準備など詳細は受診時にご相談ください。

治療法1 生活習慣の改善

乾癬は生活習慣病との関連性が指摘されています。特に肥満と皮疹重症度は密接な関係にあることが報告されています(文献1)。栄養バランス・禁煙・適度な運動・規則正しい生活を送ることなどが大切ですが、特に適正な体重コントロールが重要と考えられています。

つまり、薬剤ばかりに頼るのではなく、生活習慣に気を配ることも大切です。

(文献1)Armstrong AW et al. The association between psoriasis and obesity: a systematic review and meta-analysis of observational studies. Nutr Diabetes. 2012;2:e54.

治療法2 外用療法

ステロイド外用薬とビタミンD3外用薬の2つに分けられます。以前はこれらの薬剤を混合して処方されることが多々ありました。しかし、混合処方の問題点が指摘され、今では混合処方される機会は少なくなりました。

一方で、ステロイド外用薬とビタミンD3外用薬の合剤であるマーデュオックスやドボベットが発売され、乾癬の外用薬としては最も優れた薬剤として広く使われています。ドボベットは軟膏、ゲル、フォームの3種類ありますので部位によって、好みに合わせて使い分けることができます。

これらの外用薬の中で最も治療効果が高いのはドボベットフォーム®です。ドボベットフォーム®は薬剤が過飽和状態になっていることが有効性の高さの秘密で、病変部に十分な薬剤を塗布することができます。免疫細胞(Th17細胞など)が炎症性サイトカインを産生することで乾癬の病態に深く関与していますが、ドボベットフォーム®はこれらの炎症性サイトカインを最強のステロイド外用薬よりも効果的に抑えることが実験で示されています(文献2)。また、実臨床でもドボベットフォーム®は最強のステロイド外用薬であるクロベタゾールよりも治療成績が良いことが報告されています(文献3)。皮疹の範囲が広い場合や他の外用薬で治りにくい場合は是非使ってみるべきでしょう。

(文献2)Lovato P et al. Calcipotriol/Betamethasone Dipropionate Foam Inhibits Th17 Cytokine Secretion and Improves Epidermal Barrier Markers in a Human Th17 Skin Inflammation Model. Dermatol Ther (Heidelb). 2021;11:265-274.

(文献3)Yélamos O et al. Non-invasive clinical and microscopic evaluation of the response to treatment with clobetasol cream vs. calcipotriol/betamethasone dipropionate foam in mild to moderate plaque psoriasis: an investigator-initiated, phase IV, unicentric, open, randomized clinical trial. J Eur Acad Dermatol Venereol. 2021;35:143-149.

治療法3 光線療法

日光浴によって乾癬の症状が軽快することは古くから知られていました。治療法として応用することが試みられ、1974年Parrishらが内服ソラレンUVA(ultraviolet A)療法を行ったのが始まりです。その後、有効波長に関する研究が進められ、1984年オランダフィリップス社でナローバンドUVB(narrow-band ultraviolet B)蛍光管が開発されました。さらに不必要な照射を避けるためにターゲット型光線療法が開発されました(エキシマライト)。

光線療法は外用療法だけでは効果不十分な症例や、皮疹が全身におよぶ場合に有用です。まずは少ない照射量で週1回~2回を目安に開始します。日本皮膚科学会の「光線療法ガイドライン」によれば週2回程度行うことが推奨されますが、通院の負担が大きいかと思います。徐々に照射量を増やし、効果が現れてきたら通院頻度を減らしていくようにするといいでしょう。光線療法を継続することにより、寛解状態を得ることもできます。ただし、無制限の照射はせず、400回を超える場合には少なくとも50回ごとに治療法を再考することが望まれます。逆に考えれば週1回の照射でも400回を達成するには8年もかかる計算になりますので、安全性が確立されている治療法と言えます。光線治療は安全性だけでなく、費用対効果も高く、かつ他の治療法と組み合わせることも容易であり、乾癬治療の大きな軸をなす治療法であるといわれています(文献4)。

実際の治療ではドボベットフォーム®と光線療法を組み合わせると良いでしょう。さらに相乗効果を狙うなら、アプレミラスト(オテズラ®)、デュークラバシチニブ(ソーティクツ®)、エトレチナート(チガソン®)、MTX(リウマトレックス®)と組み合わせると大変有効であると考えられます。皮膚症状だけでなく、関節症状ともなった乾癬性関節炎に対しても高い効果が期待できます。実際にアプレミラスト(オテズラ®)と光線療法の併用によって、中等度~重度の乾癬に対して高い有効性があったことが報告されています(文献5)。ただし、シクロスポリンと併用することはできません。

紫外線の作用機序は非常に複雑です。中でも重要なのは炎症を引き起こす免疫細胞(Th17細胞など)がアポトーシスと呼ばれる状態になることで病変部から取り除かれます。また制御性T細胞と呼ばれる細胞が誘導されることで、過剰な免疫反応を抑え、免疫のバランスが保たれるようになります。これらの結果、アトピー性皮膚炎や乾癬を含む皮膚炎が改善されることが知られています。

(文献4)Richard EG, Hönigsmann H. Phototherapy, psoriasis, and the age of biologics. Photodermatol Photoimmunol Photomed. 2014;30:3-7.

(文献5)Bagel J et al. Apremilast and Narrowband Ultraviolet-B Combination Therapy for Treating Moderate-to-Severe Plaque Psoriasis. J Drugs Dermatol. 2017;16:957-962.

治療法4 内服療法

乾癬の内服薬はPDE4阻害薬(オテズラ®)、TYK2阻害薬(ソーティクツ®)、カルシニューリン阻害薬(シクロスポリン®)、MTX(リウマトレックス®)、JAK阻害薬(リンヴォック®)、ビタミンA誘導体(チガソン®)の6種類です。抗ヒスタミン薬が使われることもあるようですが、ほとんど効果は期待できません。

6種類いずれの薬剤も中等度以上の乾癬に優れた効果を発揮します。これら6種類の内服薬はいずれも優れた薬剤ではあるものの、安全性と効果の面で生物学的製剤に遠くおよびません。一覧表にまとめました。

乾癬の内服薬の一覧

内服薬 オテズラ TYK2阻害剤
ソーティクツ
シクロスポリン
ネオーラル
MTX
リウマトレックス
JAK阻害薬
リンヴォック
チガソン
長所 ・優れた効果
・長期安全性が高い
・関節症状にも有効
・最も効果が高い内服薬の1つ
・安全性が高い
・優れた効果
・効果発現が速い
・優れた効果
・関節症状に有効
・最も安価である
・毎日内服する手間が不要
・優れた効果
・安全性が高い
・関節症状にも有効
・優れた効果
短所 ・消化器症状の副作用あり
・値段が高い
・値段が高い
・処方できるのは学会の承認施設のみ
・処方前に検査が必要
・腎機能障害などの副作用あり
・長期安全性に問題あり
・値段が高い
・肝障害・間質性肺炎などの副作用あり
・定期的なチェックが必要
・最も値段が高い ・肝障害・間質性肺炎の副作用あり
・値段が高い
・男性は6カ月、女性は2年間の避妊が必須
値段 約17,800円
※先発品のみ、後発品はなし
約24,940円
※先発品のみ、後発品はなし
・先発品5,700円~17,000円程度
・後発品3,300円~10,000円程度
・先発品500円~1,000円程度
・後発品330円~660円程度
約44,700円
※先発品のみ、後発品はなし
・先発品5,000円~10,000円程度

※値段は1ヵ月30日分の3割負担額。値段は投与量によって大きく変わり、高用量または低用量の場合、表示の範囲外になることもあります。値段を比較するとMTXが非常に安価であることが一目瞭然です。

MTXの有用性~他剤との比較

MTXは中等度~重症の乾癬に対して大変有用な薬剤です。MTXが乾癬の治療薬として日本で使われるようになったのはここ数年のことです。ほぼ同時期にオテズラが発売開始された影響もあるのか、あるいは生物学的製剤の注目度が高いためか、皮膚科診療ではMTXの使用経験は少ないのが実情です。MTXの歴史は古く、かつては重篤な副作用があり、肝生検を行わなければならないと考えられていました。ところが、現在では副作用に注意していれば安全に使える薬剤であることが知られるようになり、関節リウマチの第一選択薬として、また欧米では乾癬の治療薬として広く使われています。

怖い薬というイメージがあるものの、最も重篤な副作用である間質性肺炎はまれで、頻度の高い副作用は肝障害です。また安全面はシクロスポリンの方がやや良いとの報告があるものの、シクロスポリンの長期内服はリスクを伴います。実際に、アトピー性皮膚炎に投与する場合には12週間以内で休薬することが定められており、海外の報告を参照しても乾癬に対する投与期間は最長2年以内がひとつの目安になります。一方で、MTXにはこうした制限がなく、weekly製剤ですから毎日内服する煩わしさもありません。シクロスポリンは値段が高いうえに腎障害の副作用があり、たとえ採血で異常がみられなかったとしても注意が必要です。MTXの最大の利点は関節症状に有効であること、値段が安いという点です。乾癬における最新の総説論文(文献6)によればオテズラ60mgとMTX16mg/weekの皮疹改善率ほぼ同等であることが示されており、費用対効果の高さがうかがえます。関節症状があると、やがて不可逆的な関節破壊を起こすこともあるため、早期に積極的な治療を行うことが望まれます。その場合、生物学的製剤が最も推奨されますが、費用の問題があるなら次善の策としてMTXが有力と考えられます。

(文献6)Griffiths CEM al: Psoriasis. Lancet 2021;397:1301–15.

デュークラバシチニブ(ソーティクツ®)の有用性

2022年11月に発売開始となった世界初のチロシンキナーゼ2(TYK2)阻害薬です。1日1回の経口薬で優れた効果を発揮します。乾癬の病態ではJAK-STAT経路と呼ばれる細胞内シグナル伝達が重要であることが知られています。JAKにはJAK1、JAK2、JAK3、TYK2の4種類ありますが、その中でもTYK2はインターロイキン12(IL-12)、インターロイキン23(IL-23)、type Iインターフェロン受容体の機能的応答を活性化します。これらのサイトカイン経路は乾癬における病的な炎症に関与しているため、TYK2阻害剤であるデュークラバシチニブ(ソーティクツ®)は乾癬の治療薬として有用です。TYK2だけを選択的に阻害するため、他のJAK阻害薬に比べて副作用が少ないのが特徴で、内服薬では最も効果的かつ安全性の高い治療薬の1つです(文献7)。

(文献7)Krueger JG et al. Tyrosine kinase 2 and Janus kinase‒signal transducer and activator of transcription signaling and inhibition in plaque psoriasis. J Am Acad Dermatol. 2022;86:148-157.

治療法5 生物学的製剤

乾癬の病態に大きな影響を及ぼしている原因物質をターゲットとした治療法です。2023年4月現在で12種類の生物学的製剤を使うことが可能になりました。TNF製剤、IL-23製剤、IL-17製剤の3タイプにわけられます。投与間隔は製剤によって大きく異なります。短いもので2週間毎、長いもので3カ月毎の投与になります。このうち投与間隔が4週間以内の製剤では在宅での自己注射が認められています。通常は3ヶ月分処方することが多く、通院の負担を少なくすることができます。

TNF製剤
レミケード、ヒュミラ、シムジア
IL-17製剤
コセンティクス、トルツ、ルミセフ、ビンゼレックス
IL-23製剤
ステラーラ、トレムフィア、イルミア、スキリージ
IL-36製剤
スペビゴ

表1 乾癬で使われる生物学的製剤

効果・安全性の面では生物学的製剤が最も優れており、他のどんな治療法もおよびません。皮疹完全消失率が60%を超える製剤もあり、驚異的な効果があります。最大の欠点は値段が高いこと、使える施設が限られているということです。非常に高価な薬剤ですので、3割負担ではなく、高額療養費制度の適応になることがほとんどですが、それなりの費用負担は生じます。負担額は年齢や収入、その他の条件によって大きく異なります。費用負担の問題がなければ、中等度~重症の乾癬(特に関節症状を伴う場合)には生物学的製剤が最も推奨されます。重症乾癬は内服や外用薬だけでは限界があります。

前述の乾癬マーチは若年の重症乾癬で特に進行が速いことが知られており、早期の生物学的製剤の導入が望まれます。実際に海外では生物学的製剤での治療で心筋梗塞の発症リスクが減少したことが報告されています(文献8)。

当院は日本皮膚科学会の承認施設であり、生物学的製剤での治療が可能です。重症乾癬の患者さんの治療のお役に立てることができれば幸いです。

(文献8)Wu JJ et al. The risk of cardiovascular events in psoriasis patients treated with tumor necrosis factor-α inhibitors versus phototherapy: An observational cohort study. J Am Acad Dermatol. 2018;79:60-68.

乾癬の治療薬ドボベット

乾癬は遺伝的背景と生活環境が複雑に関与して発症する疾患です。近年、生物学的製剤をはじめ乾癬の治療は飛躍的に進歩しました。しかし、乾癬の治療薬は値段が高い薬が多いため、なるべく安くて良い治療法を提案することも重要と考えます。

重症の乾癬患者さんの数はそれほど多くはなく、ほとんどは軽度~中等度です。費用対効果の点でも治療の土台となるのは外用です。乾癬はビタミンD3外用薬とステロイド外用薬が基本になりますが、両者をともに含む配合薬がドボベットです。ドボベットは発売当初3割負担で軟膏1本約1250円ほどでしたが、年々薬価が引き下げられ、2023年現在で1本あたり約850円となりました。値段が安くなっただけでなく、軟膏、ゲル、フォームの3種類の剤型があり、大変使いやすくなりました。

ドボベットフォームは数ある外用薬の中で最も治療効果が高く、世界中で使われています。長期の安全性も証明されており、安心して使っていただけます。上手く使いこなすことで内服の全身療法に劣らないほどの効果があることも報告されています(文献1)。ドボベットフォームは傾けたり、逆さにしても使用可能です。皮膚から拳1つ分ほどの距離を取って噴霧してください。

頭部の乾癬に対してはドボベットゲルが有用です。お風呂あがりの外用で問題ありませんが、ドライヤーで髪を完全に乾かす前に外用することが重要です。頭皮が乾いた状態だと「薬剤吸収率」が落ちるため十分な効果が得られません。乾癬に限らず外用治療で大切なことは、「皮膚病変部に薬剤を吸収させなければ効果は得られない」と意識することです。当然のことのように思われるかもしれませんが、意識するかしないかで結果は大きく変わります。頭皮は難治部位と考えられていますが、全身療法は必須ではなく、外用療法の工夫で十分対応できることがあります。

Key Points

①ドボベットは乾癬に対して最も優れた外用薬の1つである
②ドボベットを上手く使うことで中等度の乾癬も十分コントロール可能である
③頭部乾癬では頭皮が湿った状態でドボベットゲルを外用する

(文献1)Bewley AP et al. Calcipotriol plus betamethasone dipropionate aerosol foam vs. apremilast, methotrexate, acitretin or fumaric acid esters for the treatment of plaque psoriasis: a matching-adjusted indirect comparison. J Eur Acad Dermatol Venereol. 2019;33:1107-1115.

乾癬は冬場に増悪する

冬は夏に比べて乾癬が増悪しやすいことが報告されています(文献1)。頭部の湿疹が悪くなってきたと受診され、初めて乾癬の診断がつくことも珍しくありません。頭皮に赤い局面が形成され、フケがぼろぼろ落ちてくる症状は乾癬が強く疑われます。頭部は乾癬の初発疹が生じやすく、脂漏性湿疹または慢性湿疹と診断され見逃されやすい部位でもあります。

冬になると夏に比べて日照時間が短くなり、厚手の服を着るので紫外線の暴露量が減少します。日光に当たる時間が少なくなることで体内のビタミンD濃度が低下し、乾癬が増悪することがわかっています(文献2)。実は乾癬には「紫外線療法」もあるほどです(注:「紫外線療法」は日光浴とは別物です)。前回のトリビアで述べたように、ドボベット外用薬にはビタミンDが配合されています。ステロイドを含まないビタミンD外用薬であるドボネックス軟膏やオキサロール軟膏を使うのも悪くはありません。また冬場の乾燥はかゆみを生じ、掻破行動によって皮疹が増悪すると考えられます。衣服がこすれたり搔破など機械的刺激によって皮疹が誘発されることをケブネル現象といい、乾癬はケブネル現象をきたす代表疾患の1つです。肘や膝の皮疹はケブネル現象が関与しています。

以上より日常対策が見えてきます。シャンプーで頭部を洗うときは優しく洗いましょう。爪を立ててゴシゴシ洗うと乾燥が助長されるうえにケブネル現象が誘発されます。お風呂あがりの皮膚が湿っているうちに外用しましょう。時間がたって皮膚が乾いた状態になると外用薬がなじみにくくなります。特に頭部はドライヤーで乾かす前にドボベットゲルを外用することです。また、熱すぎるお風呂や石鹼の使い過ぎは皮脂を落とし、肌がさらに乾燥してしまうので注意が必要です。

Key Points

①冬場は紫外線の減少によりビタミンD濃度が低下し、乾癬の症状が増悪する
②冬場の乾燥・衣服の機械的刺激によってケブネル現象が誘発されやすくなる

(文献1)Park BS et al. Factors influencing psoriasis: an analysis based upon the extent of involvement and clinical type. J Dermatol. 1998;25:97-102.

(文献2)Gisondi P et al. Vitamin D status in patients with chronic plaque psoriasis. Br J Dermatol. 2012;166:505-10.